こんにちは、しいです!
私は子どもの頃「不同視弱視」で治療をしていました。
私には三人の子どもがいて、小児弱視と診断されています。
子どもの目が悪いとわかった時、ショックと不安な気持ちでいっぱいでした。
このブログを見に来てくださった方の中には、同じような気持ちになった方が多いのではないでしょうか。
この記事では私自身と子どもの弱視の体験談を交えて以下のことをお伝えします。
- 弱視について知りたい
- 他の子の弱視・遠視・斜視の経過を知りたい
3人の子ども達の経過です。
- 長女(第一子)2歳からメガネ治療をし、現在眼鏡歴8年目
- 長男(第二子)3歳からメガネ治療をし、小学校入学後に治療終了
- 次女(第三子)3歳児健診をきっかけに遠視、不同視発覚。経過観察中
経過観察中の次女も遠視の診断が出ているので、恐らく眼鏡での治療になると思います。
- 小児弱視、遠視、斜視について
- 眼科での検査について
- 弱視の治療について
- 3人の子どもの経過について
私自身が子供の頃に弱視治療をして感じたことや、7年間子どもの弱視治療と向き合ってきた体験をもとに、原因や検査、治療法などをお話します。
子どもの弱視とは?
弱視とは、メガネやコンタクトレンズをしても、視力が出ない状態の事です。
生まればかりの赤ちゃんの視力は、0.01~0.02程度で、その後3歳までに0.6~0.9程度、5歳までには1.0以上になります。
視力はピントの合った映像が脳に送られ、視神経を通り、脳で認識されるという刺激を受け発達していきます。
しかし、何らかの目のトラブルにより、ものを見る脳の機能が育たないと「弱視」になります。
では、どのような目のトラブルが弱視の原因となるのでしょうか?
弱視は眼鏡やコンタクトレンズを使用しても1.0以上の視力が出ない状態の事で、50人に1人の割合でいるそうです。
裸眼視力が悪くても、眼鏡等での矯正視力が1.0以上あれば弱視ではありません。
弱視の原因
弱視の原因となる目のトラブルは、以下のことが挙げられます。
- 遠視や乱視による屈折異常
- 斜視の影響でおこる斜視弱視
- 乳幼児期に光を遮断することによって起こる形態覚遮断弱視
その中でも弱視の原因として多いのは、遠視と乱視による屈折異常です。
屈折異常とは
目は光が入ってくると、角膜と水晶体を通して網膜にピントを合わせ、その情報を視神経を通して脳に伝えます。
網膜にピントが合わない状態が屈折異常です。
屈折異常は遠視、近視、乱視にわけられ、遠視と乱視が弱視の原因となる場合が多いです。
遠視とは
遠視は、ピントの合う位置が網膜の後ろになるため、近くても遠くてもピントが合いません。
そのため、いつも視界がぼんやりしてて見えにくい状態です。
乱視とは
乱視は、角膜の歪みによりピントが網膜のどこにも合わず、ぼやけて見える状態です。
乱視が強いと弱視の原因にもなります。
屈折異常による「屈折異常弱視」「不同視弱視」
屈折異常により起こる弱視は「屈折異常弱視」と「不同視弱視」に分類されます。
屈折異常弱視とは
遠視や乱視が両眼とも強いと、網膜でピントが合わないのではっきりとものを見ることが出来ず、いつもぼんやりとしたものしか見えないことにより、視力が発達していない状態。
屈折異常弱視は遠視が原因で起きることが多いです。
目は常にピントを合わせようとするため、疲れやすく頭が痛くなったり、細かい作業が長続きしない、集中力にかけるなどの症状が出ることもあるそうです。
遠視が強いとピントを合わせようと目が頑張るので、寄り目(内斜視)になる、調節性内斜視になる場合があります。
不同視弱視とは
遠視、近視、乱視による屈折異常により、視力に左右差が出てしまい片目だけが正常に発達していない状態。
左右の視力差が度数で表すと2D以上だと不同視弱視になる可能性が高まります。
こちらも遠視が原因で起きることが一番多いです。
球面度数の左右差が2以上になると不同視と診断されます。
不同視弱視の場合は片方の目は正常に発達しているため、周囲は異変に気付きにくいですし、本人も日常生活に不自由はない為、見逃されやすいです。
そのため発見が遅れ、就学前健診や入学後の視力検査見つかることも多いそうです。
視覚の感受性期間は6~8歳くらいまで続きますが、この時期には感受性は消失するので6歳ころまでに『はっきり見る』事が正常な視力の発達をさせるために必要となります。
10歳頃を過ぎると、治療をしても反応しなくなってしまうことがほとんどなようです。
私は不同視弱視で治療をしていました。
不同視が見つかったのは小学校に入学してからの視力検査だったので、治療期間は短かかったです。現在は裸眼で不自由なく生活していますが、左右の視力差はあります。正確な度数はわかりませんが、視力は「右目1.2」「左目0.8」です。
検査はしたことないので感覚的なものですが、私は両眼視が苦手だと思います。
良いほうの目だけを使っている感覚もあります。3D眼鏡を使った映画も立体には見えないですし、スキーではカーブするときに悪い目のほうの視界が狭く感じて恐怖があります。
そして遠視が強い左目は、使っている感覚があまりないのにとても疲れやすいです。
私は治療期間が短かったのでこのようになってしまったのかもしれませんが、メガネ屋さんでは逆に治療が出来たから今不自由なく生活できているとも言われました。
もしお子様の目の異常に気付いたときはすぐ、眼科を受診してほしいです。
次女は3歳児健診で片目が見えてないことがわかり、眼科を受診。
「遠視性不同視」と診断されました。
まだ小さいので弱視の診断はでておらず、経過観察中です。
子どもの弱視、眼科でする検査はなに?
わが家の場合、眼科でおこなう検査は以下のとおりです。
- オートレフケラトメーター検査
- 視力検査
- 眼底検査
- 散瞳検査(年1回)
散瞳検査
目薬を使って眼のピント調節機能を麻痺させて、瞳孔を大きく開いたままにした状態で精密検査を行う。
瞳孔とは黒目の部分で、まぶしい時は小さくなり暗い時は大きくなります。
子どもはピント調節が上手で目が頑張っている状態なので、ピント調節機能をお休みさせて、正確な数値を測るために行います。
わが家の子どもたちは2種類の目薬を使用したことがあり、そのうちの1種類がアトロピンという目薬です。
アトロピンは、受診する一週間前から自宅で一日2回点眼します。
この目薬はしみるらしく、子どもは嫌がるので毎日押さえつけて無理やり目を開いて、目薬をさしていました。
薬なので副作用もあります。
医師からは熱が出たり具合が悪くなったらすぐやめるよう、お話がありました。
目薬をさしたあとは副作用を軽減させるために目頭を押さえるのですが、娘は少し副作用があったのか、ほんの少し顔が赤くなりました。嫌がって泣いたせいもあるかもしれません。
特別具合が悪いということはなかったので様子をみることにし、その後目薬を継続しても同じ症状は出なかったので眼科に連絡はしませんでしたが、副作用がある場合は中止し眼科へ問い合わせましょう。
アトロピンは麻痺効果も非常に強く、効果は3週間以上続くこともあるそうです。
もう一種類の目薬は眼科で点眼してもらい、その日のうちに検査をすることが出来ました。
5~10分おきに目薬を3回さして、1時間経過した後に検査をします。
待ち時間は長くなりますが、毎日の目薬よりこちらのほうが親子ともに負担は少なくすむので楽でよかったです。
数日は薬の作用で瞳孔が開くので、とても眩しく、ものがぼやけて見える状態になります。
天気のいい日の外出や階段などは気を付けてくださいね。
幼稚園や保育園に通っている場合は、園の先生へも「とても眩しさを感じている事、全体がぼやけて見えている事」をしっかり伝えておきましょう。
夏休み・冬休みなどの長期休みを利用し検査をすることをおすすめします。
子どもの弱視治療はメガネを常につけること!
弱視の治療は、メガネを常につけていることです。
適切なメガネをつけて、『はっきりと見える』状態を作ることが大切です。
長女の場合は遠視が強度だったため、初めてメガネを作成した時にも医師からきつくメガネを外さないよう指導がありました。
お母さん、今しっかり治療しないと、この子の目はほとんど見えないような状態になります。
お風呂と寝るとき以外は、ずっとメガネをかけてください。はじめは慣れなくてすごく大変な戦いになるけど、頑張りましょう。
お風呂と寝るとき以外はしっかりメガネをかけてね。もっと見えるようになるからね。頑張ってね。
医師からこのようにお話があり、当時2歳の長女へもメガネの大切さを直接話してくれました。
不同視弱視の場合は、メガネをしても視力の改善がないと、良いほうの目をアイパッチなどで隠して、発達してほしい目を使う訓練をします。
私は小学生の頃、放課後2時間アイパッチで良いほうの目を隠して過ごしていましたが、とっても嫌でした…。片方の目が見えるので、これはものすごくストレスを感じます。
どうしても見えにくい時は親にバレないようにアイパッチを少しめくって、隙間からのぞいたり…。お子さんがアイパッチを使って治療中のお母さん、お父さん、嫌がるかもしれませんが心を鬼にして。頑張りましょうね!
子どもの弱視は治る?
裸眼視力が悪くてもメガネなどでの矯正視力が1.0以上あれば、弱視ではありません。
弱視はメガネやコンタクトレンズを使用しても1.0以上の視力が出ない状態の事をいいます。
弱視の原因となる遠視や乱視が成長とともに改善するというわけではありません。
メガネで矯正をして視力が出たとしても裸眼視力がよくなるわけではないので、必要に応じてメガネをかけ続けていくことになるでしょう。
ですが目は成長とともに遠視から近視に変化していくことが多いので、メガネが外れるパターンもあるようです。
長男は、小学校入学後に裸眼視力も出るようになりメガネを卒業出来ました!
長女は矯正視力はよくなっているのに、遠視の度数が上がってしまう時期もありました。
矯正視力は「1.2」と「1.5」あるので、長女も「弱視はほぼない」と医師からも言われましたが、この先もずっと眼鏡をするよう言われています。
弱視の治療は“メガネを外しても見える”がゴールではなく、“メガネをして視力を出す”ことです。
早期発見、早期治療でかなりの確率で改善していくと言われています。
毎日のメガネの装着が大切です!頑張りましょう!
子どもの弱視の経過について
長女の現在までの経過
球面度数 | 裸眼視力 | 矯正視力 | |
2歳(治療前) | 右+7.25・左+8.25 | 右0.4・左0.2 | ー |
5歳(治療して3年経過) | 右+8.50・左+9.00 | 右0.5・左0.2 | 両眼1.2 |
9歳(治療して7年経過・現在) | 右+8.25・左+8.75 | 右0.5・左0.6 | 右1.2・左1.5 |
途中で遠視の度数が強くなり不安になることもありましたが、現在では遠視の強い左目が最高視力の「1.5」まで出ています!(たまに2.0見える人もいるが、これは特殊能力だと眼科医が言っていました)
長女はこの先も裸眼では生活することは難しいと思いますが、ここまで視力が出るようになりました。
長男の現在までの経過
弱視発覚時(3歳)の裸眼視力は「右0.6、左0.3」
現在は裸眼視力が最高視力の「1.5」
小学校入学後の夏休みの時点で裸眼視力が「1.2」になり、眼科医と相談しメガネを外すことにしました。
冬休みの経過観察で裸眼視力が「1.5」出ていることがわかり、弱視の治療は終了しました。
遠視の度数には変化なく、元々遠視の度数が低かったのもあるとは思いますが、目の発達に大切な時期に治療できたことがよかったと思っています!
次女の経過
次女は発覚時(3歳)の度数が「右+5、左2.5」
裸眼視力が「右0.5、左0.6」
現在3歳5か月ですが経過観察中です。
生活に不自由はありませんし、斜視などの見た目の問題もありません。
ですがこれからも経過を見てもらうために眼科には受診する予定です。
子どもが弱視と診断されたら!親の出来る事は病院を受診する事
次女のように不同視だと良いほうの目で生活できてしまうので、気付きにくい場合もあります。
子供の弱視は早期発見、早期治療が大切です。
ですが、視覚の感受性期間ギリギリから治療を開始したとしても改善していくケースもあるそうです。
小さな子供を連れて病院に行くのは大変ですが、忙しいからと後回しにせず、視力に不安があるときはぜひ一度眼科を受診してみてください。
親としてできることは、眼科を受診して適切な検査を受けることです!
最後までご覧いただきありがとうございます。
この記事でどなたかの不安が少しでも和らぐと幸いです。
長女と長男は遠視による屈折異常弱視と診断されました。
長女は強い遠視の為、調節性内斜視もあります。2歳の時に寄り目になる事に気付き、眼科を受診したことで弱視の治療を開始することが出来ました。
メガネをかけることでピント調節がされて目は正しい位置になり、内斜視になることはありませんが、メガネを外すと寄り目(内斜視)になってしまいます。
8年間メガネ治療した現在は、メガネを外しても自力で眼球を動かしてピント調節し、目を正しい位置にすることが出来るようになっています。ただそうするとぼやけて何も見えず、寄り目にすると見えるそうです。
眼科医には「そういう子いるんだよね」と言われました。笑
ただ、プールなどでメガネを外している時間が長いと目が痛くなるそうです。